Walmart が社内コーディングAIを全開発者へ拡大──約400万開発時間を削減
サマリー
Walmart が早期の成果を受け、AI 支援のコーディング/補完ツールの全社展開を計画。これらのツールはデプロイの効率化とバグの少ない高速なコード提供で、約400万開発時間を削減した。北米とインドの全開発者へ提供を広げる。社内生成AI「My Assistant」の利用も拡大している。
早期成果を受けた全社展開の判断
Walmart は、AI 支援のコーディングおよびコード補完ツールについて、より広範な社内展開を計画していることを明らかにした。2025 年第 4 四半期(Q4 2025)の決算の場で言及されたもので、これまでの試験的な導入で得られた早期の成果を受けての判断だという。
小売最大手にとって、ソフトウェア開発は店舗運営からサプライチェーン、EC まであらゆる業務基盤を支える領域である。その開発工程に AI を組み込むことは、単なる実験ではなく、事業競争力に直結する投資として位置づけられている。早期段階で手応えを得たからこそ、Walmart は限定的な利用にとどめず、組織全体へとスケールさせる段階に踏み出した。
約400万開発時間の削減という実績
Doug McMillon CEO によれば、これらの AI コーディングツールはすでに約 400 万開発時間の削減という成果を生んでいる。削減の源泉は、デプロイの効率化、バグの少なさ、そしてコードをより速く提供できるようになった点にあるとされる。
注目すべきは、この成果が抽象的な「生産性向上」ではなく、削減された開発時間という具体的な数値として語られている点である。AI 導入の効果は往々にして定性的な表現にとどまりがちだが、Walmart は規模感のある定量指標を提示することで、投資の正当性を社内外に明確に示している。
削減効果が見込まれる主な領域は次のように整理できる。
- デプロイの効率化による、リリースまでのリードタイム短縮
- バグの減少による、手戻りやレビュー負荷の軽減
- コード提供の高速化による、開発サイクル全体の加速
北米・インドの全開発者へ、そして「My Assistant」の拡大
Walmart は今年、北米とインドの全開発者に対してこれらのツールを提供する予定だとしている。両地域は同社のエンジニアリング体制の中核を担っており、全開発者への展開は、AI を一部の先進チームのものから標準的な開発環境の一部へと位置づけ直す動きといえる。
あわせて、社内向け生成 AI ツール「My Assistant」の採用も拡大している。コーディング支援が開発組織に閉じた取り組みであるのに対し、My Assistant はより広範な従業員の業務を対象とする生成 AI であり、Walmart が技術部門と一般業務の双方で AI 活用を進めていることがうかがえる。
海外の本番化事例を、自社の業務にどう翻訳するか。Meta Flow AI が伴走します。